今日の輪・適当ブログ

気まぐれ更新。個人の趣味ブログです。ゲームや観劇の感想を書いてみたり。「ピクミン」が一生の推し!ピクミンブルームにドハマり中!

宝塚歌劇配信視聴・花組『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』

こんばんは、のわです。

 

 

宝塚歌劇ライブ配信を視聴しました!花組の『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』です。

ブロードウェイミュージカルですが、このご時世だからかライブ配信OK&円盤販売決定なんですよね!遠征出来ず歯痒い思いをしている者としては本当に本当にありがたい話です……。舞台鑑賞に関しては、今後も配信視聴という選択肢があればそれに甘えたいと思ってます。いずれコロナが落ち着いてチケットが取れたら絶対に生で観に行くつもりですが、配信には配信のメリット(メインの演者の顔がアップで映る、劇場までの交通費が要らない、チケット代が安い)がありますからね。(ケチくさくてすみません……。)

 

kageki.hankyu.co.jp

 

(※以下、物語終盤のネタバレを含みます)

禁酒法時代のニューヨーク、お金持ちだけど女好きでちゃらんぽらんなジミーと酒の密売で生計を立てる女性ビリーの、周りの人々を巻き込んだドタバタラブコメディです。癖の強い面白い登場人物が多く登場して、全体を通して楽しく視聴できました。

 

主人公ジミー役の柚香光さんは終始楽しげで奔放な演技がハマっており、ビリー役の華優希さんも体当たりのコミカルな演技で、歌も本人比で上手になってきていると感じました。

 

また、大勢いるキャストの中でも個人的に「特に良い!」と思った方々が、

・ジミーの婚約者 アイリーン役の永久輝せあさん

・アイリーンの親戚 エストニア公爵夫人役の鞠花ゆめさん

・ビリーの仲間 デューク役の飛龍つかささん

・デュークと深く絡む女性 ジェニー役の音くり寿さん

です。

アイリーン役の永久輝さんは本来は男役の方ですが、配役の都合で女役に。それでも歌声は男役が無理してソプラノを出そうとしたような声ではなく軽やかな高音で、馬鹿馬鹿しいくらいのコメディシーンを大真面目に、そしてかなり上手に演じていらっしゃいました。細く長い腕を振り回して奇妙に(褒め言葉)踊る姿、最高でした!これは稽古場で笑いが絶えなかっただろうなぁ〜。警官役の汝鳥さんとの絡みも可愛かったです。

エストニア公爵夫人役の鞠花さんは脇を固めるベテランさんというイメージだったので、こんなにスポットが当たって歌うシーンがあって恋愛模様に絡んでくる役だとは思っていませんでした。ですが迫力ある良い意味で癖の強い芝居、高く響く歌声、それらをしっかり魅せてくださったので非常に満足度が高いです!与えられた役にバッチリ応えてくれました。

デューク役の飛龍つかささんはとにかく可愛かった!「醜男の酒密売人たち〜」的な台詞を受けての「えっ、俺って醜男!?」みたいな目を見開いた表情、お金持ちだと誤解されてジェニーに誘惑された時の戸惑いの仕草、本気でジェニーに想いを伝えるために文章を書こうとしたけど上手く書けなくてたどたどしく「あ、あいしてる!」と叫んだ姿、どれもこれもキュンとせざるを得ないです……!!歌も最初はモジモジとした歌唱ですがジェニーとの関係が深まるにつれ「ザ・飛龍つかさ!」な自信に満ちた歌唱に変わり、そこも細かく演技が出来る方でした。

ジェニー役の音くり寿さんは全体的に安定してお上手でした!!序盤はショーガールとしてキレキレに踊り、そこかしこで美声を響かせ、全身から伝わるコミカルな演技も見ていて気持ち良かったです。コケティッシュな表情からデュークに対する「あら、可愛いじゃないの♡」みたいな表情まで多彩で見ていて飽きません。私は特にこの方の声が好きで、きゃるんとした声、色っぽい声、ドスの効いた声など、このジェニーという役だけでも色んな芝居によって声を使い分けていらっしゃって魅力的でした。

 

大劇場公演ではないので花組の組子が全員出演しているわけではない(二手に分かれて公演が行われている)&銀橋の演出はない&フィナーレも小規模なのですが、みんな幸せに絆を育んだハッピーエンドな物語で、とても良かったです。

ただ、私個人の感覚としては主人公でありながらも子供っぽくて女好きであまり誠実には見えないジミーに良い印象が持てず……。たいした理由もなくアイリーンとの結婚を決めた薄っぺらさ、ビリーへの気持ちに気付いてからのビリーとアイリーンどちらにも上手く誠意を見せられないとんだすっとこどっこい野郎っぷり、見ていて逆に笑っちゃいました。彼も彼なりに一生懸命ですが肝心なところでヘタレな上にあまり頭が良いわけでもなく、だからと言ってビリーの手を引いて駆け落ちするくらいの度胸を見せるというわけでもなく。その不器用さにキュンとくるかと言えば個人的にはそうでもなく……。最初はなんとなく『ME AND MY GIRL』のビルに似てるキャラクターかなと思って比較しながら見ておりましたが、そんなには似てないですね。

ジミーって、もしアイリーンが腹違いの妹だってお母さんから知らされなければ一体どうしてたんでしょうか。押し切られて嫌々結婚していた?それとも歌って踊ってうやむやにしてその隙に結婚式場から逃げ出していた?うーん、いざと言う時はジミーは自分の力でビリーを迎えに行くだろう!という確証があまり持てないキャラクターですね……。また、お母さんに「財産はいらない!これから質素に暮らす!」と言い切った後、財産はきちんと分けるよと言ってもらったら「安心した!自分で言ってて質素に暮らすのは無理だなって思ってた!」はないだろ!これ笑うところ!?嘘でしょ~!!でも柚香さんが演じてるおかげでまだ茶目っ気のあるイケメンに見えるのが憎たらしい……。

あと「恋愛バンザイ!自由バンザイ!」ってことを伝えたいミュージカルだったとは思うんですけど、「禁酒法クソ喰らえ!好きなものを我慢するなんて馬鹿馬鹿しい!」みたいな台詞があったじゃないですか。「自由=お酒」みたいな空気に見えたのでなんかそれは嫌でした。身近に好き勝手にお酒を飲んでめんどくさい感じになってしまう人がいるので、お酒をポジティブに捉えることが出来ないんです……。超個人的な意見で失礼しました。

 

でもなんだかんだジミーとビリーが最後は本当にお互い信じ合って、他にも劇中でカップルがたくさん成立して、アイリーンも警官さんにダンスを褒められて仲良くなって、みんな丸く収まって良かったです。終わり良ければ全て良し、をミュージカルにしたらきっとこういう形になりますね。花組の皆の振り切った演技が見られて楽しかったです!

 

 

おしまい