今日の輪・適当ブログ

気まぐれ更新。個人の趣味ブログです。ゲームや観劇の感想を書いてみたり。「ピクミン」が一生の推し!ピクミンブルームにドハマり中!

宝塚歌劇配信視聴・花組『アウグストゥス-尊厳ある者-』『Cool Beast!!』

こんばんは、のわです。

 

本日、花組公演の大劇場千秋楽のライブ配信を視聴しました。

kageki.hankyu.co.jp

youtu.be

↑初日映像

お芝居とショー、二本立てです。緊急事態宣言の規制がまだ適用されていたので、この公演の千秋楽は無観客で行わざるを得ませんでした。この公演で退団する方は6名いらっしゃったのですが、その中にはトップ娘役と男役2番手の方も含まれています。最後のご挨拶を無観客でしなければならなかった、というのはやはり胸が締め付けられる思いがします。でもファンは画面の向こうから声援を送っております!東京公演は何事もなく完走出来ますように!!

 

●●●●●

お芝居の『アウグストゥス-尊厳ある者-』はローマ史上初の皇帝となり、「尊厳者」という意味の"アウグストゥス"の称号を贈られたオクタヴィウスの、それに至るまでの半生を描くオリジナル脚本の公演です。トップスターの柚香光さんがこのオクタヴィウスを、この公演で退団するトップ娘役の華優希さんが父を殺された仇討ちに燃える女性・ポンペイアを演じます。

臆病だけど優しいオクタヴィウスがカエサルに切りかかったポンペイアを庇い、周囲の政治的な思惑も絡んで物語が動いていく……というようなストーリーです。ぶっちゃけ歴史ものに弱いので、視聴しながら何回も「やべ、古代ローマの動きを勉強しとけばよかった……」と思いましたね……。主演二人のロマンス要素はあまりなく、でも互いを認め合い精神的に繋がり「友」になる物語でした。終盤はちょっとどんでん返しがあったりして、「なるほど、こういう感じね!」と思いました。

オクタヴィウスはどちらかというとかっこいいキャラではなく臆病者ですが(賊にナメられて殺されそうになったり、殺陣のシーンでも無様にうずくまったりします。臆病者なのは自分で自覚しています)、マントを翻して歩く姿が颯爽として見えたり、姉のオクタヴィアに対しておでこコツン♡くらいの距離で優しく話しかける姿が可愛らしかったりと、トップスターのお役として十分魅力的でした。

そしてポンペイアはオクタヴィウスに救われ、そしてオクタヴィウスを精神的に救う役どころでしたね。終盤はお衣装の布がふわふわと空気を含んで非常に神々しく、演じがいのあるヒロイン像だったのではないかなと思います。

また、作中でカエサルの後釜を狙うアントニウスとエジプトの女王クレオパトラが結婚式を挙げ、そこでアントニウスの婚約者であったにも関わらずフラれてしまったオクタヴィアが心の内を切なく歌い上げるシーンは胸に迫るものがありました。音くり寿さん(オクタヴィア役)の歌声が好きなもので……。

アントニウス役の瀬戸かずやさんはこの公演で初めて二番手羽根を背負い、退団されます。最後は悪役的な立ち位置のキャラクターを表情や立ち居振る舞いで魅せてくれました。クレオパトラ役の凪七瑠海さんもポンペイアが静かに歌った後、ド派手な演出で登場してくるのであまりの華やかさにちょっと笑っちゃいました。男役さんですが華奢なので女役も似合いますね。滑舌も良かったです。

あと、地味にビリビリ来たのは、アティア役(オクタヴィウスの母親)の鞠花ゆめさんですね。ポンペイアがきっかけで争いが起こってしまったと彼女を責めて「出て行って!」と震えながら怒鳴りつける声が私まで怒られているような迫力で(笑)空気が震える感覚がありました。大神官役の華雅りりかさんも厳かなオーラがありました。大神官はオクタヴィウスに「生きていない者の声が聞こえるのですか?」的なことを聞かれてそれを否定するシーンがあるのですが、いや絶対聞こえるでしょ、だってこのオーラだよ?とツッコまざるを得ませんでした。クレオパトラに付き従うアポロドラス役の和海しょうさんも冷徹な雰囲気が印象的で台詞も多く、何よりイケボでした。

他、序盤で重要な役どころのカエサルはどこか腹に一物ある態度を夏美ようさんが上手い塩梅で演じていましたし、途中で反旗を翻すブルートゥスは永久輝せあさんが最初は好青年風に、そしてだんだんと目が血走っていくような迫真の演技で印象的でした。

このお芝居は暗転が多くてブツ切り感が強い、照明が暗いといった評判をSNSで多少目にしていましたが、配信だとそれほどでもないと思いました。それよりも殺陣の迫力のなさが気になりました……。オクタヴィウスがヘタレ気味とはいえ、オクタヴィウスVSアントニウスの場面とか、それこそ序盤のポンペイアがカエサルに切りかかる場面も妙にモッサリしていたような……。動きのキレの良さが際立っていたのはアグリッパ役の水美舞斗さんですね。『はいからさんが通る』の鬼島軍曹の時から、特に剣の使い方がキレキレで見ていて気持ちいいなあと思ったので、これくらいのキレを他の方にも期待したかったな、なーんて思っちゃったり……。

 

●●●●●

ショーの『Cool Beast!!』は柚香さんが花組トップスターに就任してから初のショー作品、しかもテンション高めのラテンショーということで非常に楽しみでした。やはり個人的に柚香さんの魅力は楽しそうに踊る姿だと思っているので……!

出だしで美穂圭子さんが登場して歌声を響かせてくれますが、圧倒的オーラすぎてヤバかったです。画面越しなのにあんなにビリッとくることあります?本物の女神様が目の前に現れたような感じがしました……。そして組子たちがギラギラの衣装でキレキレに踊ります。ここの娘役の衣装、太ももがあらわでセクシー!そして赤毛の獣に扮した柚香さんが登場。お客さんがいれば盛大な手拍子が入るんですけど、お芝居はともかくショーは無観客だとちょっとつらいですね。

でも組子たちがそれぞれ精一杯最高のパフォーマンスを見せようとしているのが伝わってきましたし、何よりみんな楽しそうでした。歌ウマの美穂さん&音さん&和海さんの美声が聞けますし、若手の娘役さんたちが可愛らしく踊っていて頬が緩みますし、柚香さんが熱望していたらしい裸足でのダンスはゆったりと清廉な雰囲気で、柚香さんVS水美さんのお肉バトル(!)のシーンは特に男役の皆さんが楽しそうで、お肉取り出してテッテレー♪の演出はガチで笑っちゃいました。女装の柚香さん&瀬戸さんのアダルトなダンスは見ていて心拍数が上がったというか、柚香さんのユニセックスな魅力爆発でイケナイ物を見ている気分になりましたね!!群舞も男役と娘役が大階段で斜めに整列して進むところが美しかったです。
ただ藤井大介先生が手掛けるショーは出だしの演出が長くてなかなかメインテーマにたどり着かずじれったいパターンが多い(気がする)のと、今回はそのメインテーマがかなり短く感じられて今一つ最初から盛り上がれなかったこと、歌詞が8割がた聞き取れなかったこと(笑)が個人的な微妙ポイントかな……。マジで歌詞分かりません。カタカナ造語が多くて私の頭で理解が追い付かないのか、オーケストラの皆さんが爆音でかき消してしまってるのか……?公演プログラム買っておけばよかったかな……。SNSで他の方が感想を書いているのを目にしたので、「ギャオ、ギャオ」と言っているのだけは分かりました。Beastの鳴き声ですかね。

あ、フィナーレでポルノグラフィティの『ジョバイロ』が使われてるのはテンション上がりました!娘役を従えて大階段をセンターで降りてくる瀬戸さんの姿に目頭が熱くなりました。退団の餞別でこんな栄誉なことあります?おめでとうございます……。今この瞬間の花組の魅力が詰まったショーだったと思います。

 

●●●●●

最後に、一つ印象的だったことを。瀬戸さんが卒業のご挨拶の中で「この景色(無人の客席)を今後タカラジェンヌが見なくていいようにしたい……」というようなことを仰っていました。やっぱりお客さんが誰もいないと寂しいですよね……!つらいですよね!公演中止の憂き目に遭った中で千秋楽だけでも無観客配信出来たことは幸運でしたが、それでもやはりタカラジェンヌは目の前のお客さんからパワーを貰っているし、我々だって出来ることならチケットを手に入れて生でジェンヌのお姿を拝見したいわけなんです。きっと若いジェンヌたちがこの状況を不安に思っていたのを瀬戸さんは感じていたのでしょう。今後、後輩タカラジェンヌが不安なく健やかに公演を完遂出来るように気遣う気持ちが溢れた立派な挨拶でした。

この公演で現トップ娘役の華さんが退団することで、花組のコンビ体制は変わりますし組の雰囲気も若干変わるのかなとも思います。それでも退団する方の思いや経験値を受け継いで今残っている組子がどんどん組を発展させていくのが宝塚なので、一ファンとして今後も見守り応援し続けたいです。

 

おしまい